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http://d.hatena.ne.jp/tihara/20071111#p1でボナンザVS勝負脳に関する話が載っていました。自動音声認識でのここ20年ほどの状況とコンピュータ将棋の現状を比較しての記事で、最後ではgoogleに関しても触れられています。
内容は前半で機械学習やコンピュータ将棋の説明をし、その後出る自動音声認識の話がコンピュータ将棋とつながるという構成です。
で、私が注目したのはここ。
「機械学習」による「中途半端な成功」によって自動音声認識の分野では「根本的な議論」がしづらくなってしまっている、というのが私の現状認識である。
そして、コンピュータ将棋の話に戻る。コンピュータ将棋は、今、重要な岐路に立たされているのではないかと感じる。自動音声認識の分野が10年前に通過した「機械学習による中途半端な成功」がなされたところだからである(渡辺竜王に負けておいて「大成功」とは言えないだろう)。もしこれから先、コンピュータ将棋の分野でも「根本的な議論」がなされなくなったら悲しいことである。
自動音声認識は学会での議論が技術の進歩を主導する様子みたいですが、コンピュータ将棋では実際の強さやコンピュータ将棋選手権での実績が大きなウェイトを占めるのが異なるだろう、というのが私の考え。
もう一つ、Bonanzaが初優勝した第16回の選手権以降、Bonanzaメソッド*1を採用するプログラムが現れたのは確かです。ですが、今年の第17回選手権では古豪のYSSが優勝し、そのYSSは機械学習を行っていません。
確かに、色々な開発者が色々な手法を試していて、そのソフトの実績によってコンピュータ将棋界の流れがある程度変わる事はあります。
が、一つの手法が大多数の開発者に採用される事は稀ですから、袋小路にはまって抜け出せなくなるような事は無いだろうと考えています。
もっとも、何か新しい手法が出てきて、誰もがそれを採用したくなるほど魅力的だという状況になれば、その時こそid:tiharaさんの危惧する状況になるでしょう。